偏光技術の応用 – 円偏光散乱を用いたがん診断技術(円偏光板)
■偏光技術の応用事例
みなさんこんにちは。今回は、医療分野での大変興味深い偏光技術の応用事例を拝見しましたので、紹介させて頂きます。
■円偏光散乱を用いた「がん診断技術」
東京工業大学 科学技術創成研究院の西沢望先生方の研究グループが、円偏光散乱を用いた「がん診断技術」を実験的に実証されました。(1)
生体試料に検体のがん転移部と健常部をまたがる直線状に対しラインスキャンを行った結果は図1右のとおり。(グラフの上部が生体試料の顕微鏡像、青点線で囲んだ部分ががん転移部。)下部のグラフでは各点で計測された散乱光の円偏光度(DOCP; Degree of Circular Polarization)をプロットしている。検出角によらず健常組織とがん組織に対する散乱光の偏光度には明確な差異が得られており、本技術によりがんの識別が可能であることを示している。今後の更なる実用研究の発展が期待されます。
ルケオでは、小さい円偏光板としてはΦ3mm程度まで製作実績があります。
そのサイズであれば、ファイバー先端にも取付けできそうですね。
■円偏光板
ルケオでは、円偏光を生成するために必要な1/4波長板と偏光板を貼り合わせた円偏光板などを生産しています。レーザーなどの特定の波長に対して高精度な波長板であるHI-RETAX、また、白色光から近赤外光などの広い波長帯において円偏光を実現する超広帯域波長板SB-RETAXなど、様々なラインナップがございます。仕様のご相談やお見積りも承りますので、お気軽に問合せ願います。
円偏光板
https://www.luceo.co.jp/product/circularly-polarizing-plate/
参考文献
(1) 円偏光散乱を用いた新たながん診断技術 https://www.titech.ac.jp/news/2021/049223.html