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バイオミメティクス_竹

■バイオミメティクス

 みなさんこんにちは。最近、世の中の新しい製品の中で、生物の特徴を模擬した構造のものをテレビ等で見かけます。このように「生物の構造や機能、生産プロセスを観察、分析し、そこから着想を得て新しい技術の開発や物造りに活かす科学技術」1を「バイオミメティクス」1と呼ばれています。今回は、バイオミメティクスに関する内容をお届けします。

 

■竹の断面構造と穴周辺の応力分布(2)

 天然の構造部材としても利用されている竹について面白い論文を見つけたので紹介します。竹は風などによる曲げに対する負荷を受ける中で、その環境に耐えられるように自分で最適化を行いながら進化してきたことがうかがえる内容です。
 図1(a)はモウソウチクの横断面を示したもので、外表皮側は8の字の形、内側の斑点(維管束)は花びら状で大きさ、向きを変え配置されている。内側の花びら状の維管束を拡大すると(図1(b))、生体として最も大切な道管、後生篩部などを保護するように配置されていることがわかる。そこでこの竹断面形状に対し相似なモデルで光弾性法による応力計測実験(等応力の部分が縞として現れる)の結果を図2に示す。この結果から道管、師管を補強する最適設計は応力分布の示すとおり補強材を配置すればよく、図1の繊維の配置は成長過程で受けた応力状態に依存した結果を示している。梅崎ら(3)は光弾性法と有限要素解析を併用してこの裏付けを示している。
 近い将来、竹の断面構造を模擬した円柱構造物等が見られるかもしれませんね。

 

 このような光弾性法の技術を用いて応力分布を評価したい時に弊社のLSM9100シリーズが活躍します。この検査器は、樹脂の大きな歪(応力、リタデーション)を定量的に計測できるため、形状の差異による歪の比較ができます。

 

フルオートストレインアイ LSM-9100シリーズ
https://www.luceo.co.jp/product/lsm/lsm9100w/

 

 ショールームでサンプル計測も実施していますので、お気軽にお問合せください。

問い合わせ先:https://www.luceo.co.jp/contact/

 

■参考文献

(1) 最相葉月:「バイオミミクリーとはなにか」『理系という生き方 東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか』, ポプラ社, ISBN 978-4591147405, (2015)

(2) Fumio Nogata:Mechanical Sensing Ability and Shape Control by Electric Signals in Plants,

     The Journal of the Japanese Bio-Electrical Research Society, Vol.12, 21-26, (1998)

(3) Masato Sato, Eisaku Umezaki:Stress analysis around bamboo vascular bundles under bending,

     The Japan Society of Mechanical Engineers, M&M lectures proceedings, 2000, p.589-590, (2000)

以上

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